【あらすじ】
当時、神奈川県警の管理官であった主人公は、相模原市で発生した児童誘拐事件の指揮をとる。しかし捜査は最悪の方向へと進み、失態を演じた主人公は神奈川県警を追われた。-それから6年の時を経て、川崎市で児童連続殺人が発生。姿の見えぬ犯人に翻弄される神奈川県警はテレビ番組を利用した劇場型捜査の主役として、かつての管理官を再び表舞台へと呼び戻す。
とにかく読みやすかった。文量としては上巻下巻合わせて750ページ程度と、決して少なくはないのだけれど、なんだかすごくあっさりしている。全体通して当たり障りない無難な事実描写に終始している印象があり、言葉や行動の裏を読む必要がない。楽と言えば楽だし、劇場型捜査という題材は面白いので読み進めるのは苦にはならず十分に楽しめる。ただ本当に軽い。例えるならばJ-POPとクラシックの違いだろうか。ちなみに最近読んだ阿部公房の『箱男』は民俗音楽。私が出だしに書いた小説もどきはさしずめボイスパーカッションだろう。どういう意味かは誰にもわからない、私も含めて。
何処かのレビューで誰かが言っていたけれど、「映像向き」まさにそれだと思う。あいにく豊川悦司が演じる実写版は見ていないので、事実映像に向いていたかは知らないけど、とんでもなく原作主人公のイメージと重なるハマリ役である事は疑いようがない。
「婆さんに告ぐ、そろそろ消費税切り上げをやめてくれっ・・・やめてください」
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