全体の構成は、ピュタゴラスをはじめとした数の基礎を作った人々の物語から始めて、証明に使われた数々の定理誕生の秘話や数学そのものの発展を紹介し、それらを巧みにワイルズの挫折と栄光の物語に繋げてゆく。
専門用語は驚くほど出てこない。というより、出てくるけど文系の人間や中学生でもわかるような一般的な表現で書かれている。モジュラー形式や楕円曲線がどのようなものかは重要ではなくて、証明の中でどう使われるか、それを考え出したのは誰かを過不足なく丁寧に教えてくれる。最初から最後まで十分に理解して読み進められると思う。ただしその歴史の深さゆえ、途中で「ガンダム」というワードが出てきても気づかないくらい大量の人名が出てくるので、ややこしいといえばややこしい。
引っ張りまくるので所々クドかったけど、証明を発表した瞬間の感動はそんじょそこらの小説を超えて私の涙腺を刺激してくれた。事実は小説より感動的なり。それは著者のサイモン・シンの技量の成せる技であり、翻訳者の青木薫の技量でもあり、数学の歴史においてもシーザーを理解するためにシーザーである必要はなかったという事でもある。
読み終わったあと、無性に数字をこねくり回したくなるような。そんなお話。
よし、使いたいフレーズは使った。後は適当に書こう。
ワイルズが7年にも及ぶ証明作業の中で、何に躓き、何にヒントを得たか、基本的には数学をテーマにしたドキュメンタリーなわけだけど、所々にパズルのような問題が載っていて数字好きもニヤッとできる。例えば自己言及のパラドックスで有名なこんな問題。
『「クレタ人は嘘つきである」とクレタ人が言った』
さてこのクレタ人本当のことを言っているのか、嘘を言っているのか。
クレタ人ってなんぞ?っていうのは置いといて。
クレタ人が本当に嘘つきならば、「クレタ人は嘘つきだ」と言ったこのクレタ人の発言も嘘という事になる。しかしそれならば「クレタ人は正直者だ」という事になり矛盾する。こんな説明でわかってクレタだろうか。
おお寒い。
駄洒落で締めるのはなんともあれなので、余白に一文を添える。
「この本に関して私は真に驚くべき感想を持っているが、それを書くのはめんどくさ過ぎる。」
わかる人にはわかる。これはお約束。
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