あまぞんな日々

　擬似念力マウス。まだまだしょぼいけど夢を感じる。

1、2年前に騒がれた脳波インターフェイス。テレビで言うと3Ｄホログラムのような可能性を感じたものだけど、やっぱりまだまだしょぼく、自由度は本物のマウスに遠く及ばない。大体、何か考えるたびに脳波はいくらでも変化するのだから脳波マウスでエロサイトを徘徊しようものなら誤作動しまくりだ。

今はまだ僧侶専用装備。やっぱりあと10年くらい夢は棚上げかな。

右のは脳波おもちゃ。ブロアで浮かべたボールを、配置したアスレチックにただひたすらエンドレスで通してゆくだけの単純なおもちゃ。ボールの上下操作に脳波を使用していなければ間違いなく誰も買わない。本格的な念力機器が発売されるまでの練習用にはなるかもしれない。

youtubeに脳波マウスを使ってる映像があったので張っておく。

"手を動かすとマウスが動く"。突っ込んじゃだめなんだろうか。

大脳視覚野の信号パターンを解析して、脳内信号の映像化に成功したと伝えるニュースは耳に古くない。いつか　「脳波無線だからラグい」　「有線化手術してないの？この貧乏人」　とか言い合う時代がくるのかな。死ぬ前に実現して欲しい。
⇒プレスリリース　脳から知覚映像を読み出す


ところで脳波に関連して、δ波、θ波、α波うんぬん・・・を検索すると「α波で集中力向上！！」だとか、「θ波で右脳活性化！！」だとか、やたらに能力向上を訴える胡散臭いサイトが引っかかる。大抵のサイトは「○○波は○○な時発生し、○○に利く」と盲目的に信じて、あるいは信じさせようと話を展開している。

そもそも『脳波』というのは膨大な神経細胞の電位変化の和を測定した波形のことで、電位変化の間隔の違いによってα波やβ波などにわけられている。基本的に、脳活動が活発になると個々の細胞活動が分散し、高周期のβ波やγ波が観測されやすくなる。反対に、活動が緩やかになると細胞活動が同期し、低周期のθ波やα波が観測されやすくなる。

しかしだからといって、「脳活動が活発なγ波だから集中している」と言えるだろうか。気が散って、色々な事に反応しているだけかもしれない。α波にしても、集中というよりはリラックス、悪く言えばボケーっとしている人間に観測されやすい。つまり○○波という言葉からはおおまかな脳活動と、それに対応させたおおまかな精神活動がわかるだけで、そこから脳の思考を読み取るのは「店の売り上げは計100万円です」と言われて「何が、なぜ売れたのか」を考えるに等しい。

脳機能局在論を語るにも測定部位がわからなければ意味が無いし、α波が分散して相対的にβ波が目立つ場合もある。それっぽい解析結果を提示しておけば「そういうものだ」と思いがちで、とにかく印象操作しやすい。どいうわけか自己啓発系のサイトは、見るも見せるも、そういう人間が集まりやすい。「詐欺まっしぐら」っていうキャットフードがあるとかないとか。

原文：「α波が出るクラシックCDを聴いて集中力を向上！β波を左脳に集中させ受験合格！」
翻訳：「素敵な音楽でも聴いてリラックス！よく考えて勉強すれば受験合格！」

そんな感じ。

【脳機能局在論】
脳は部位によって機能の役割分担世を行っているという説。世にいう「右脳信仰」や、私がたまに使う「左脳で見る」などの表現もこれに由来する。現在は経験的に事実として扱われているものの脳機能は複雑で個人差が大きく、型にはめられるものではない。おまけに脳は相互作用しているようで、計算しているからといって右脳を全く使っていないというわけでもない。結構アバウト。


正直、脳科学について私はまったく詳しくない。勘違いをしている可能性がある。そんなわけで、参考にしたサイト。はっきりさせたい人はそっちへドーゾ。
⇒脳波の手習いシリーズ
⇒「脳波」と「事象関連電位」
⇒脳波のなぜ？　Ｑ＆Ａ


脳波マウスの記事だったはずなのに商品が途中でどっかいった。ま、いいか。