ネジを掴むだけでなく、本当にペンチの代わりとしても使えるように根元に針金なんかを切断できる刃部があるらしい。そうしょっちゅうネジ穴は潰れないからこれは賢い。
ところでペンチといえば、たまに工具箱を開くとサビ付いて使い物にならないというイメージがある。うちのが安物だからなんだけど。それでこのネジザウルスの材質はどうだろうか、と見てみると「S58C」。
機械構造用炭素鋼というやつ。鋼っていうのは鉄に炭素を少量含ませた物のことなんだけど、この炭素の含有量が増えるほど鋼は硬くなる。その代わりにサビ易くなったり欠けやすくなったりする。その弱点を克服するために色々な金属を混ぜたものを機械構造用合金鋼と呼ぶんだけど、それはまた別のお話。クロムを混ぜたステンレスのサビにくさは有名だよね。あ、ここ飛ばしていいよ着地点ないけど。
S58Cの炭素含有量は0.55 ~ 0.61らしい。なんとも中途半端。
サビにくさは「良くは無い」というレベル。海水につけるわけじゃなし、ベタベタ触らなければ問題ないと思う。でも長期的には安物ペンチと同じ運命を辿るんだろうなあ。
硬度、つまり刃部の切れ味に直結するけどこれまた「良くは無い」というレベル。JIS規格で工具鋼と呼ばれるものと比べれば見劣りする。まあ商品説明に『切断能力(mm):φ1.2』って書いてあるしね。
なんだかんだでコスト的に無難な素材を選びました、ってところだろうか。レアメタルを惜しみなく含有した数万円の無敵工具が好きな人、主に私とか私には物足りないけど一般家庭での実用性は十分。
別のアプローチとして、潰れたネジ穴に接着剤みたいなものを流し込んで摩擦力をあげる商品もあった。ネジザウルスの天敵、完全にめり込んでるようなネジにはこのネジすべり止め液じゃないと太刀打ちできないだろうけど、こっちはネジ穴が完全に潰れるとアウトなんだって。難儀よのう。
緑と黒でそれぞれ対応してるネジサイズが違う。黒は電子基盤のチビネジ向けなんだそうな。
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