南京錠の魅力を知らずして生きている価値はない。
少し熱く語りたい。
『錠』と『鍵』。私がこの2つに求めるのは頑丈さと複雑さ。頑丈で複雑であればあるほどに、鍵は鍵たる、錠は錠たる意味を増し、絶対的な錠が施錠される瞬間に凝縮された信頼感は、えもいわれぬ安堵をもたらす。それはサバンナの動物が、自らのテリトリーを示す為に行う「マーキング」に通じており、生物が本能的に求める精神の安らぎと言っても過言ではない。また、錠と鍵が持つ代えの利かないただ一つの組み合わせは、「互いを必要とする」力を生み出す。つまり、『鍵』を所有することは『錠』に「必要とされている」状態なのだ。人間は必要とされる事を渇望する。中2設定で、「闇」に次いで鍵の出現頻度が異様に高いのも頷ける。これもまた、本能が求める安らぎなのだろう。私は南京錠を見るたびうっすらと目に涙を浮かべている。
デジャブ。なるべく早く、病院へは行きたい。
本来なら実用性なんて掃き溜めに捨てたいところだけど、「
TSA」の文字が気になったのでサンコーのダイヤル式南京錠も挙げてみた。商品説明を拝借させていただくと
TSAロックとは
2003年1月より爆発物検査のために、TSA(アメリカ運輸保安局)は、アメリカへの出入国とアメリカ国内のフライトの際に厳しい荷物検査を行っています。
TSAはX線などの検査で不審物が入っていると思われる鞄を開けて検査をしているため、旅客は開錠して荷物を預けなければなりません。もし、施錠をして預けた場合は鍵を切断または壊されてしまう可能性があるので、せっかくの楽しい旅行も台無しとなってしまいます。
TSA認可のロックを使用している鞄は、TSA職員が特殊ツールを使って開錠して検査し、検査後は施錠して戻しますので、鍵をかけたまま航空会社に預けることができます。
なるほど。海外旅行なんて行かないから初めて聞いたよ。
矛盾の話ではないけれど、上に挙げた数万円の
最強南京錠で施錠したトランクの場合、TSA職員は一体どうやってこじ開けるんだろう。職員の特殊ツールが勝つか、南京錠が勝つか、福沢諭吉を懸けた嫌がらせ。どっかのテレビ番組がこっそり検証してアメリカに怒られてくれないかな。
【矛盾の話】
どんなものでも貫く最強の矛と、どんなものでも防ぐ最強の盾。じゃあ盾を矛で突いたらどうなるのか、っていう話。盾を貫いた瞬間に矛が真っ二つになれば問題ない。「ほたてのはなし」ではない。
さて、無条件に南京錠が好きなだけで作った記事だから書くことが他に無い。困ったときは語源。
「南京錠」の語源は江戸時代にさかのぼり、当時、中国の都市である『南京』から渡来した物を『南京~』と呼び、やがて『南京』という言葉は「海外から渡来した珍しい小物」という意味を持ち、とりあえず海外の珍しい小物はまとめて南京、南京、呼んだらしい。ちなみに『南京玉すだれ』の南京は、「南京にも存在しない~」という意味なんだそうな。へー。
手に伝わる内部機構の感触で、安いダイヤル式南京錠なら数分で開錠できる特技が私にはある。
役に立った事は、いまだかつて一度もない。
PR
COMMENT